映画『ファーストキス 1ST KISS』を見た
映画『ファーストキス 1ST KISS』を見たので感想を書く。 坂元裕二脚本、塚原あゆ子監督による作品。主演は松たか子と松村北斗。 公式サイト: https://1stkiss-movie.toho.co.jp/
この記事ではネタバレを含まない感想と含む感想に分けて書いていく。 ここでのネタバレを含む・含まないというのは、主にあらすじに深く関わるかどうかを指すもので、あらすじに触れない演出などについての話はネタバレを含まないとしている。
ネタバレを含まない感想
観客層と上映環境
TOHOシネマズ渋谷のスクリーン5、13時の回で95%ほどの席が埋まっていた印象。老若男女さまざまな層が観に来ていた。
ファーストキス鑑賞後の男子トイレ、幅広い年齢層の男たちが小便器の前で鼻をすすってる
— わこー (@funwarioisii) February 7, 2025
わかる。刺さったよな。家では奥さんと温かい関係育み続けたいよな。
一人で観に行くのがいいと思う。
映像と音響
クリーム色のJEEP Wranglerの使用は絵として世界観にうまく浸透しつつ見ごたえがある。 夫婦が過ごす部屋のインテリアデザインも洗練されていて、差し込む自然光が小道具の魅力を引き立てる。
アブラゼミとひぐらしの鳴き声の使い分けにも意図を感じたけどよくわからなかった。 アブラゼミが鳴いてる場所でひぐらしも鳴くのって自然か?自分には違和感があったけどセミの生態に詳しくないのでわからない。
首都高でのドライブシーンは、首都高が好きな人にとって爽快感があるだろう。
脚本の特徴
坂元裕二らしい4K解像度の夫婦関係が描かれている。主人公の名前選びにも工夫が見られ、他作品を想起させない珍しい氏名を採用している点も好感が持てる。 たとえば「涼宮」や「ハルヒ」などのような有名な名前が出てくると若干集中しづらいので助かる。
SF要素が薄いのもいい。タイムトラベルはほぼ自然なものとして、人間関係やコミュニケーションなど坂元裕二の得意分野で制作されている。
ネタバレを含む感想
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演出・演技について
冷え切った夫婦関係を表現する際の寒色の使用と、幸せなムードに戻った際のホワイトバランスの変化など、視覚的な演出も楽しめた。 コミカルなシーンと深刻なシーンのメリハリが効いており、クライマックスでの感情の振れ幅を大きくすることに成功している。
カンナ(2024)と駈(2009)のクスっとくる会話は何気ない日常を切り取っており、具体的に何が面白かったかを思い出すのが難しい。すごく自然な描写。
15年前の駈が、カンナに対して妙な親近感を感じるのは、カンナが15年かけて駈との距離感をうまく作ったからだろうなとか妄想する。
ただの性癖?だけど理系っぽい雰囲気を漂わせる松たか子の演技が好き。『大豆田とわ子と三人の元夫』で高校数学を解いていたシーンもよかった。
シャツの黄ばみ
シャツの襟の黄ばみというディテールが、人間関係を象徴的に表していた。 「駈さんはいま誰からも気にされていないということですよね」という台詞は、妻がシャツのシワを指摘してくれたり、中学高校時代に母がシャツの襟の黄ばみを指摘してくれたことを思い出させる。 誰かに気にかけられているということの大切さ!!!あるいは自分はちゃんと気にかけているか?ということを考えさせる。
総評
SF要素は薄いがタイムトラベルという装置を使って、愛と執着を表現した作品だった。それが夫婦と言われるとそうな気もする。 自分観点だと、『夫婦関係』をほぼ描かず、視聴者が勝手に夫婦関係について考えさせられてる作品だと思った。
ここには書けなかった感想がいくつもある。 それは妻との個人的な思い出からなる感想で自分ひとりのものとしたい。
結構いい映画だった。
追記
この記事は https://scrapbox.io/funwarioisii/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%B9_1ST_KISS(%E6%98%A0%E7%94%BB) をブログ向けに書き直したものです。この記事に書いてない感想もあるので、そちらもどうぞ。